定年後の生活費、どれくらい必要?
2018/2/26シニア世代の皆様にとって「定年後の生活費」「老後の生活費」はとても気になることではないでしょうか?
誰もが迎える定年、引退、そして老後の生活…現役時代から考えてはいたものの、何となくこんな感じの生活かな…というイメージを持つことができても、今ひとつ実態が見えないだけに曖昧なスタイルでしか捉えることができない方も多いのではないかと思います。
ご自身のイメージする老後のライフスタイルを実現するために、まずは最低限の生活資金がどのくらい必要か、という「老後の生活費」をきちんと把握することが、これから老後を迎えるシニア世代の方々の「備え」の第一歩となります。
老後の生活費については地域差・個人差に大きく左右されるものですが、今回は二組のシルバー世代の最低限の生活費について比較しながらご紹介していきたいと思います。
◆Aさん(堅実派)、Bさん(積極派)のライフスタイル◆
~堅実派のAさんご夫妻(ご主人71歳・奥様69歳)~
・持家(ローンなし)に二人暮らし
・車なし(移動手段は近くに住む子供に車を出してもらう、もしくはバス移動)
・ご主人は週二回デイサービス利用
・奥様は週に一度、公民館のヨガ教室を受講
・孫たちの成長を楽しみながら月に2~3度ほど子供たちの家族と外食やショッピング・小旅行を楽しむ~積極派のBさん(女性・63歳)~
・持家(マンション、ローンなし)に一人暮らし
・車あり(ほぼ毎日使用)
・趣味、健康維持のため週に3回以上ジムに通う
・会社を早期退職した後に独立、生涯現役を目指して精力的に活動、趣味や交流も広い
・孫あり◆Aさん、Bさんの毎月の支出を比較◆
人数もライフスタイルも違う二組の毎月の支出ですが、基本支出の中の食費・光熱費・水道費・衣服費などはそんなに開きがありませんね。
そしてこれは、数字的にも皆さんが何となくイメージしていたものと大体似通っているのではないでしょうか?しかし、趣味にかける金額がそんなに変わらないものの、ライフスタイルの違いによって交通費や通信費が大きく変わってくることが分かりました。
さらに税金や保険料、医療費など、地域差による項目、個人差による項目が加わってきます。
医療費に関連して健康維持のためのサプリメント代という項目も注目ですね。交際費に含まれそうなお見舞いやお祝金などの急な出費ですが、双方ともあらかじめ毎月積み立てているというのは、年齢的に必要頻度が高くなったため、とのご意見でした。
また、お二人とも持家ということで家賃・ローンなどがないことは基本支出が抑えられている大きな要因となっています。
持ち家に住み続けながら、老後に必要なお金を準備するには、こちらもチェックしてみてくださいね。
⇒「リバースモーゲージ」詳細はこちらから◆その他オプション費用として考えられる項目◆
・家賃・ローン
・家の補修費用(設備費用)
・家具、家電等の生活関連費用
・車の買い替え費用
・旅行費用
・ペット費用上記はオプションとして考えられる項目ですが、必要ある場合もあればない場合もあります。
さらに必要となった場合には大きな出費となる項目ですから、双方とも毎月の支出項目には算入せずにあらかじめの貯蓄より必要に応じて対応する準備をしているとのことでした。
この項目は、皆様の状態に合わせてプラスしてみてください。◆豊かな老後を目指して◆
定年後の生活費、どれくらい必要?
ということで、二組のシルバー世代の方の実生活をご紹介しましたが、シニアの皆様はお感じになりましたでしょうか?「毎月の収入は限られています。臨時収入がある訳でもない二人分の年金生活。でも二人だけの最低限の生活は十分賄うことができていて、それぞれの項目では余るくらいの予算を立てています。余った分は、子供たちや孫たちと一緒に楽しめるように、大きな費用はあらかじめ若いうちに貯めた貯蓄から回せるように計画していました」
とは、堅実派のAさん。「会社に限界を感じたこと、生涯現役で社会に貢献したかったことから思い切って早期退職、独立しました。スキルアップのためにもずいぶん自己投資しましたからほぼゼロからのスタートでした。団塊世代の私たちにとっては老後が見通せない時代に突入してたので何か備えておかないと、と先々の収入源を年金だけに頼るのは危険を感じてましたから。
自分が元気なうちはまだまだ貯蓄もできると思っています。忙しいなりに趣味に使えるお金も確保できて、孫たちが帰ってきたら一緒に楽しんでいる、そんな今のライフスタイルに満足しています。イメージしてきた像ですからね」
とは、積極派のBさん。老後の生活費用は、年代・地域・趣味・家族構成・ライフスタイルなどによってかなりの個人差があるものですが、基本的な最低限の生活費というものは大方予想通り、と思った方も多いのではないでしょうか?
今回お話を伺ったライフスタイルも年代も全く違うAさん、Bさんですが、共通するのは、若いうちからどんな老後を送りたいかというイメージをしっかり持っていたことでした。
豊かな老後を送るために…。皆様はどんな老後をイメージしていますか?
(小田のん)(初稿:2011/8/22)シニア向け特集記事
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