『定年後をペットと共に』~獣医さんに伺いました~前篇
2011/10/17シニア世代のペット飼育に関して、以前も記事を書きましたが(※)、今回は獣医さんのご協力を頂いて、まとを絞り、さらに掘り下げてみました。
(※)⇒関連する特集記事 「シニア世代のペット飼育」へ今回の執筆にあたって、『シーサイドアニマルクリニック』院長の成田先生にご協力を頂きました。
成田先生は、神奈川県茅ケ崎市で獣医師の奥様と共に開院されていています。
勤勉で愛情深いご夫妻の診察は好評で、患者さんのリピート率の高さとなって表れています。
⇒シーサイドアニマルクリニックのホームページへ
=シニア世代がペットと生活するメリットとデメリットは?=
私はほとんどの場面でデメリットよりもメリットの方が大きいと考えます。
デメリットは費用面と、自分の体調が悪かろうが、時間がなかろうが世話をしなければいけないという点ですね。しかし、実際には一人でおうちに閉じこもることが減り、犬を通して新しい人との交流ができるなど良い面が多く、それらは飼い主さんたちの表情の明るさに出ていると思います。
特にワンちゃんの場合、散歩を1−2時間も行かれる方がいますので、結構な運動量になり、健康維持にもつながるでしょう。=シニア世代にお勧めのペットを教えて下さい=
基本的には大型犬や活動量の多い犬種を避けた方がいいでしょう。
ボーダーコリー,ラブラドール・リトリーバー,ゴールデン・リトリーバーなどの大型犬は,例えば散歩中に倒れた時、将来犬が寝たきりになったときに高齢者の方では手伝いなしに持ち上げることは困難です。また,ジャック・ラッセル・テリアやビーグル,ドーベルマン・ピンシャー,ウェルシュ・コーギーなどは運動量が非常に多く、また異物摂取による事故も多いので、注意が必要です。
最近飼われているワンちゃんでおすすめできる代表的な犬種としては
ヨークシャー・テリア,ポメラニアン,シーズー,ミニチュア・シュナウザーといったところでしょうか・・・。
しかし、いずれにしても個体差は大きいので、出会いと検討が大切です。=猫はどうでしょうか?=
猫ちゃんは室内で飼う場合、ほとんど手間がかからないので良いのですが、想像以上に寿命が長い(最近は20年以上も少なくない)のでペットだけ残された時の準備も必要かもしれません。
=飼い始めるペットの年齢はどれくらいがいいのでしょうか?=
あまり若い動物を飼うと自分が年を取ったときに世話できないと心配される方もいらっしゃいますが、飼い始める年齢はあまり気にしないほうがいいと思います。
むしろ若齢から飼う方が楽です。なぜなら、老齢から飼い始めると、いきなり介護や手術などで病院通いになるリスクも考えなければいけませんし、
なにより若齢から飼っている場合、「しつけが入りやすい」「おうちの人にも慣れるのが早い」という利点があるからです。=高齢者が飼育することに関しての注意点を教えて下さい=
まず、不妊手術を受けさせてください。
マーキングや発情ストレスによる問題行動を抑制できる他、動物が高齢になった時の病気(がんなど)の予防も期待できます。可能ならば、迎えるときに「お試し期間」を設けて、飼い主さんや、そのご家族と、動物の相性を見極めた方がよいでしょう。
また、飼い主さんが急な入院をすることもありますので、前もって親類やご友人に頼んでおくことは非常に大切です。
それから極端な多頭飼育も避けるべきです。
=極端な多頭飼育とは何頭からですか?=
3頭までならさほどではないと思いますが、4頭以上は大変でしょう。
ペットも老齢になると落ち着いてきますから、飼い始める年齢にもよると思います。=犬は何歳ぐらいで落ち着いてくるのですか?=
犬種によっても変わってきますが、3歳くらいから落ち着いてきます。
5歳になれば大抵は落ち着くでしょう。--------------------------
代表的な室内犬として挙げられた犬種を少し紹介すると、ポメラニアンは、体重3kg前後。
素直で快活。賢く、愛情こまやかで、サービス精神に富み、表情も非常に豊か。
興奮しやすい面があるが、従順でなだめやすい。
しつけもはいりやすいとされている。ヨークシャー・テリアは、体重3kg前後。
忠誠心の高さには定評があり、元気で活発。自分のテリトリーを守ろうとする意識が強いとされている。シーズー,ミニチュア・シュナウザーは一回り大きくなり、体重6~7kg前後。
シーズーは、人なつこく活発。小型犬によくみられる神経質な面や、無駄吠えなども比較的少なく、飼いやすい犬種とされている。
ミニチュア・シュナウザーは、好奇心が強く、警戒心がありながらも勇敢で、番犬としても優秀。小柄な身体でエネルギッシュに運動するとされている。ライター 小柴直美
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