クスリの話(1)・・・医療用医薬品と大衆薬との違い
2012/3/5医療用医薬品と大衆薬との違い
高齢になれば高血圧やら糖尿病やらでクスリのお世話になることが増えてきます。
ところで、「1日3回、食後に飲んでくださいね」とお医者さんから言われて渡されることが多いと思いますが、なんでクスリは食後に飲むのかご存じですか。強いクスリだと胃が荒れるから胃の中に食物が残っている食後の方がいい、という事情もあるのですが、実は飲み忘れがないように食後と定めているというのが理由のようです。特に生活習慣病のように長期にわたって服用しなければならないクスリは、飲み忘れないように、毎日必ず取る食事とセットで服用するようにという指示なのです。だから、定時にきちんと飲むことができるなら、食後にこだわる必要はないというわけです。
こういうようにお医者さんから指示を受けてクスリをもらうのはなぜか。
医師からもらうクスリは強くて効果が高いからです。強いクスリは効き目が強い分、副作用もあったりして、服用に注意をしなければならない。食後程度の指示ならともかく、服用量やクスリの種類、取り合わせなどを間違えると副作用が出てきてしまったりすることもあるのです。特にアレルギー体質の方は細心の注意をしなければなりません。こういう医師が処方するクスリを「医療用医薬品」といいます。それに対して、一般の人が医者に関わることなく薬局で買えるのが「一般用医薬品」俗に言う「大衆薬」といい、クスリというのはこの2通りに分けられるのです。
その大きな違いは医師が処方するクスリは患者の病状や本人の体質などに合わせてオーダーメイドで処方されるものです。それに対して、大衆薬は誰にでも共通して服用できる、いわば既製品。大衆薬は服用する相手の体質を選ばないものだから、万が一にも副作用を起こさないように、効果を弱めています。医療用医薬品は医師による管理がなされていますので、効果の高い成分を処方することができるのです。また、その分、値段も医療用医薬品の方が高い。病気の種類にもよるのですが、1錠数万円というクスリもあるのです。一ヶ月何十万円というクスリ代を払っている人も現実にいる。ただ、幸いなことに日本では健康保険が普及していますので、3割負担で済んでいるため、普通の場合はさほど負担感がないからです。
同じ意味で医療用医薬品は医師が患者に指示しますから、細かい説明はあまりありません。それに対して大衆薬は、パッケージにもびっしりと注意書きが書いてあるでしょう。それだけでなく中の説明書にも事細かに小さな字でこれでもか、というくらい注意書きがでています。ちゃんと読んだ患者はほとんどいないと思うのですが。その理由は大衆薬は誰が飲むかわからないからで、買った本人が必ず飲むというならともかく、家に持ち帰って、あるいは置き薬状態で誰でも飲めるようになっているため、クスリのメーカー側が管理することができない。そのためにくどいほど注意を呼び起こさねばならないという事情があるのです。
また、入手の方法も違います。大衆薬は薬局やドラッグストアで誰でも簡単に買えます。厳密には効果の高い大衆薬は薬剤師でなければ売ってはいけないなどの制約はありますが、基本的には自由に購入することができます。それに対して医療用医薬品は医師が処方箋を書いて、それを患者が薬局に持っていって薬剤師に処方してもらうという手間がかかります(以前は病院内でクスリを出してもらっていたものです)。それだけ薬剤管理というのが厳しくなっているのですが、しかも、薬局といっても普通のドラッグストアなどでは処方してくれません。専門の「調剤薬局」で処方してもらいます。だいたい看板が出ていますからわかるのですが、出ていなくても店の中を覗いてみるとすぐにわかります。調剤薬局というのは、店内に必ず調剤室があるからです。広さ6・6平方メートル以上の、売り場と同じ階にあって、ガラス張りで店内が見通せる場所と、法律で決まっていますから、これがないところでは処方箋を受け付けてくれません。
<特集 クスリの話>
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